CEFR B1(中級)
日常・仕事の場面で要点を理解し自分の意見を伝えられる
TOEIC:550〜780点
TOEFL:42〜71点
CEFR B2(中上級)
複雑な内容も理解でき、母語話者と自然に会話できる
TOEIC:785〜940点
TOEFL:72〜94点
CEFR C1(上級)
様々なジャンルの長い文章を即座に理解し流暢に表現できる
TOEIC:945〜990点
TOEFL:95〜120点
使役動詞(make / let / have / get)の違い:コアイメージで完全攻略
Why do natives say "have him check" not "make him check"? — Core Image Approach
「彼に確認させた」と言いたいとき、あなたは make / let / have / get のどれを使いますか?日本語では全部「〜させた」の一語で済んでしまうため、英語では4つの動詞が存在する理由を感覚的につかみにくいのです。この記事では、文法ルールの暗記ではなく「make は強制、let は許可、have は当然の依頼、get は説得」というコアイメージを使って、ネイティブがどのように4語を直感的に使い分けているかを解説します。
コアイメージの比較
make
外から力を加えて状態変化を引き起こす。相手に選択肢はない。「cause」に近い強制感。
ピストルを向けるように、相手が「やるしかない」状況を外力で作り出す。感情的になって言ったことも含む(Don't make me cry.)。
let
相手がやりたいこと・通りたいことを「妨げずに通す」。ゲートを開ける感覚。
門番が柵を開けて「どうぞ」と言う。主語はあくまで許可を与える側。相手の意志を尊重しながらOKを出す。
have
立場・役割・文脈から自然に「〜してもらう」手配をする。強制感も懇願感もない、当然の段取り。
マネージャーが部下にタスクをアサインする感覚。「頼む」というより「そういう役割だから」という含み。
get
説得・交渉・お願いを通じて相手が自発的にやることを引き出す。努力・働きかけのプロセスがある。
ドアを何度かノックして、相手が開けてくれるまで粘る。get は「to(矢印)」を引き出すプロセスを含む。
動詞ごとの使い分け
make
make は「外から力を加えて状態変化を起こす」使役動詞です。相手に選択肢はなく、主語の力・怒り・権威によって行為が引き起こされます。感情的な状況(Don't make me laugh.)から物理的強制(The cold made him shiver.)まで幅広く使われます。日本人は「させた」=make と思いがちですが、make は「強制」が核であり、丁寧な依頼には不自然です。
-ing のイメージ
外力によって相手(または物)の状態が変化するイメージ。ドミノを倒すように、主語の行為が直接的に次の状態変化を引き起こす。
to のイメージ
感情的・物理的・権威的な力が強く感じられる場面。上司が部下に強制する、環境が人の行動を変える、感情が思わず言葉を引き出すなどの状況。
| to | ✅ 正しいビジネス The new policy made employees work longer hours without extra pay. 新方針により、従業員は残業代なしで長時間働かされた。 「強制的に(残業させられた)」という含みがある。選択の余地がない状況での使役。ビジネス文脈では批判的なニュアンスを帯びることが多い。 |
| to | ✅ 正しい日常 The movie made me cry three times. その映画は3回も泣かせた。 「泣かせた」=感情的な外力が自分を動かした。make は感情や環境が人を突き動かす場面でも自然に使われる。 |
| to | ✅ 正しい日常 Don't make me repeat myself. 同じことを繰り返させないでくれ。 「繰り返させる」という強制のニュアンス。苛立ちや命令感が伴う表現。 |
| to | ❌ 間違いビジネス I made my colleague to stay late. (誤)同僚に残業させた。 make の補語は裸の原形(to なし)。made my colleague stay late が正しい。 make / let / have + 補語 + 原形(to なし)は使役動詞の基本ルール。to を付けてしまうのは日本人の典型ミス。 |
let
let は「相手がやりたいことを妨げずに通す=許可する」使役動詞です。make が「力で引き起こす」のに対し、let は「相手の意志を尊重してOKを出す」感覚。主語は許可を与える側で、相手の意志なしに使えません。また let は命令文・否定文(Don't let…)での使用頻度が高く、依頼や許可を求める場面(Let me know.)でも頻出します。
-ing のイメージ
ゲートを開けて相手が通るのを妨げないイメージ。相手がすでに「やりたい」という意志を持っており、主語はそれをブロックしないだけ。
to のイメージ
子育て、許可の交渉、依頼表現(Let me do it.)など、相手の自主性を尊重するシーン。ビジネスでは Let me check that for you. のような丁寧な申し出でも頻出。
| to | ✅ 正しい日常 She finally let her teenage daughter go to concerts alone. 彼女はついに10代の娘が一人でコンサートに行くことを許可した。 娘には「行きたい」という意志がある。母はそれをOKした(妨げなかった)。let の「許可・開放」感が出ている。 |
| to | ✅ 正しいビジネス Please let me know if there are any updates on the proposal. 提案書に更新があればお知らせください。 「知らせる行為を私にやらせてください(妨げないで)」という依頼。Let me know. はビジネスメールで最頻出の表現の一つ。 |
| to | ✅ 正しいビジネス Don't let the perfect be the enemy of the good. 完璧を求めるあまり、良いものを台無しにするな。 「完璧(という概念)が良いものを台無しにする」のを止めろ=許可するな、という慣用的な警句。英語ビジネス文化でよく引用される。 |
| to | ❌ 間違いビジネス My boss let me to leave early yesterday. (誤)上司が昨日早退させてくれた。 let の補語も裸の原形(to なし)。let me leave early が正しい。 let + 人 + 原形(to なし)。to を付けると文法ミスになる。 |
have
have は「立場・役割・文脈から自然に〜してもらう」使役動詞です。make のような強制感も、get のような説得・交渉感もなく、「当然の段取り・手配」として行為を依頼します。マネージャーが部下にタスクをアサインする、客が店員にサービスを頼む、オーナーが業者に修理を依頼するなど、役割関係が明確な場面で非常に自然です。また have O done(過去分詞)の受動的使役も重要。
-ing のイメージ
マネージャーが部下に仕事を振るような、役割・立場から自然発生する依頼感。「頼む・強制する」というよりは「そういう流れで」という当然感。
to のイメージ
職場での業務指示、サービス業での依頼、専門家への発注など、役割関係が明確なシーン。「〜してもらった」を事実として報告するビジネス報告文でも頻出。
| to | ✅ 正しいビジネス I'll have our legal team review the contract before we sign. 署名前に法務チームに契約書を確認させます。 法務チームに確認させるのは「当然の段取り」。強制でも懇願でもなく、業務の流れとして自然な have の使い方。 |
| to | ✅ 正しい日常 I had my car serviced at the dealership last week. 先週ディーラーで車を整備してもらった。 have O done(受動的使役)の形。「整備してもらった」=専門家にやってもらう段取りをした。make や get より自然で事務的な響き。 |
| to | ✅ 正しいビジネス Can you have the report ready by Monday morning? 月曜の朝までにレポートを用意してもらえますか? 「〜してもらう(ように手配する)」という have の核が出ている。have the report ready は have O 形容詞(結果補語)の形。 |
| to | ❌ 間違いビジネス She had him to fix the bug immediately. (誤)彼女はすぐにバグを修正させた。 have の補語は裸の原形。had him fix the bug が正しい。 have + 人 + 原形(to なし)。make / let / have は全て裸の原形を取る。 |
get
get は「説得・交渉・お願いを通じて相手が自発的にやることを引き出す」使役動詞です。make/let/have と異なり、補語に to 不定詞を取ります(get him to do)。これは get が「→(目的・方向性)を相手の中に生み出すプロセス」を内包しているため。日常会話では最も使われる使役表現の一つで、特に「なんとかしてもらった」という軽い労力感を伴う場面で自然です。
-ing のイメージ
相手をどうにか説得して「to(矢印)」を向けさせるプロセスがあるイメージ。ドアを何度かノックして、相手が開けてくれるまで働きかける感覚。
to のイメージ
友人に何かをお願いした、子供を説得した、取引先を口説いたなど、努力・交渉の結果として「やってもらえた」場面。get only works when the other person is at least somewhat willing.
| to | ✅ 正しいビジネス She finally got her team to agree on a release date. 彼女はついにチームにリリース日を合意させることができた。 「ついに(finally)」という言葉が get の「努力・交渉プロセス」を反映している。チームを説得してようやく合意を引き出した。 |
| to | ✅ 正しい日常 I can't get my kids to eat vegetables. 子どもたちに野菜を食べさせることができない。 説得しても子供が首を縦に振らない、という get の「働きかけが実を結ばない」ニュアンス。make なら強制できるが、get は相手の自発性が必要。 |
| to | ✅ 正しいビジネス How did you get the client to sign so quickly? どうやってそんなに早くクライアントにサインさせたの? 「どう説得したの?」という get の交渉ニュアンスが自然に出ている。ビジネスでの成果報告・称賛の表現として頻出。 |
| ing | ❌ 間違いビジネス I got him fix the problem. (誤)彼に問題を修正させた。 get の補語は必ず to 不定詞。got him to fix the problem が正しい。裸の原形は使えない(make/let/have との違い)。 get + 人 + to + 原形(to が必要)。make/let/have との最大の違い。to を忘れると文法ミスになる。 |
なぜ日本人は使役動詞で詰まるのか?
英語の使役動詞が4語もある最大の理由は、「どのような因果関係・力関係で行為が引き起こされるか」を英語が細かく区別するからです。一方、日本語の「〜させる」「〜してもらう」「〜してもらえる」は、文脈や敬語で同じ概念を表現するため、英語の4語の違いが感覚として入ってきません。
日本語の罠:
- 「彼に確認させた」→ make / have どちらも訳せてしまう
- 「娘を行かせた」→ make(強制)か let(許可)かで意味が全然違う
- 「部下に書かせた」→ make(命令)か have(役割として)かで全く異なるニュアンス
ルールを暗記するだけでは「なぜその動詞か」の感覚が身につかず、実際の会話で瞬時に選べません。4語のコアイメージを「因果の強さと種類」として覚えることで、初めて直感的な使い分けが可能になります。
補語の形式:原形 vs to 不定詞(なぜ get だけ違うのか)
使役動詞の最重要文法ポイントは「補語の形式」です。
| 動詞 | 補語の形 | 例 |
|---|---|---|
| make | 裸の原形(to なし) | make him do |
| let | 裸の原形(to なし) | let her go |
| have | 裸の原形(to なし) | have them check |
| get | to 不定詞 | get him to agree |
なぜ get だけ to が付くのか?
make / let / have は「直接的な因果(力・許可・役割)」を表すため、主語の力が直結して補語の行為を起動させます。間に「→(方向性・目的意識)」の to が入る必要がありません。
一方 get は「説得・交渉の結果として相手が自発的に向かう」というプロセスを含みます。相手の中に「→ やろう」という矢印(意志・方向性)が生まれることが get の本質で、だから to 不定詞が自然に必要になるのです。
この「to = 方向性・矢印」のコアイメージは、ing と to の使い分けと同じ原理です。
シーン別選択ガイド:どの動詞を選ぶ?
職場での指示・依頼:
- 「法務に確認させる」→ have が最もニュートラル・自然(役割として)
- 「なんとか部長を説得して承認させる」→ get (交渉・努力が必要)
- 「従業員に強制的にやらせる」→ make(強制感・批判的ニュアンスあり)
- 「部下の提案を通す・許可する」→ let(相手の意志を認める)
子育て・家族:
- 「子供に宿題をやらせる」→ make(強制)または get(説得)
- 「子供に行かせてあげる」→ let(許可・解放)
- 「子供にお手伝いをしてもらう」→ have(当然の役割として)
サービス・業者への依頼:
- 「業者に修理してもらった」→ have(専門家への自然な手配)
- 「修理屋をなんとか口説いた」→ get(交渉が必要だった)
まとめ(スペクトル):
強制 ← make ─────── have ─────── get ─────── let → 許可
依頼・段取り 説得・交渉 相手の意志尊重
発展:have O done(受動的使役)
have の発展的な使い方として have O done(目的語 + 過去分詞) があります。これは「〜してもらう・〜させる(第三者に行為をしてもらう)」という受動的な使役表現で、C1レベルでぜひ使いこなしたい高頻度表現です。
I had my hair cut.(髪を切ってもらった)
We had the system upgraded.(システムをアップグレードしてもらった)
I need to have my suit dry-cleaned.(スーツをクリーニングに出さないといけない)
have O done の2つの読み方:
- 自発的な手配(上記の例): 自分が手配して専門家にやってもらった
- 被害・不本意な経験: He had his wallet stolen.(財布を盗まれた)
どちらも「have が『O に対して done の状態が生じる』手配・経験をした」という核は共通です。文脈で読み分けてください。
比較:
- get O done も同義で使えるが、get はより口語的・努力感あり
- make O done は通常使わない(make は補語に原形または形容詞)
Pro Tip(C1 向け)
C1 レベルを目指すなら、have O done と get O done の使い分けを習得しましょう。「I had my laptop repaired.」(修理に出した、当然の手配)vs「I got my laptop repaired.」(なんとか修理してもらった、少し努力が必要だった)は微妙な違いですが、ネイティブはこの温度感を感じ取っています。また make a difference / make an impact のような「make + 抽象名詞」のコロケーションも、「外力が変化を起こす」という make のコアイメージと一致しています。4語のコアを体に染み込ませると、こうした派生表現も直感的に理解できるようになります。
ミニクイズ
各問の正しい選択肢を選び、解説でイメージを固めましょう。
Q1.The manager _____ all team members submit a weekly status report. (Context: It's a company rule — no exceptions.)
Q2.After three rounds of negotiation, she finally _____ the supplier _____ the delivery date. (Context: It took effort and persuasion.)
Q3.I need to _____ my presentation slides _____ before tomorrow's board meeting. (Context: You'll ask a designer to fix them.)
Q4.The new CEO _____ employees work from home up to three days a week. (Context: It's a new policy that employees appreciate.)
Q5.The cold weather _____ me _____ my outdoor morning run for the first time in months. (Context: You didn't want to skip it, but the weather was too harsh.)
実際のネイティブ音声で表現のニュアンスを耳で確かめよう
YouTube の URL を貼って LinguistLens で解析し、文脈の中の ing / to を拾い上げましょう。
今すぐ解析する →